がぎえるの脱皮殻

主にむしポケモンの考察を気が向いたら。

虫統一におけるグソクムシャ論【ステロ回避】


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【はじめに】
こんにちは。グソクムシャが相棒の虫統一使い、がぎえるです。今回は虫統一パにおけるグソクムシャの役割の一つについて語りたいと思います。虫統一パでグソクムシャを採用したいけどどう使えばいいか分からない、という方の育成の一助になれば幸いです。

※H、A、B、C、D、S等の略称を用います。ご了承ください。

(以下常体)

【虫統一に刺さるステルスロック
さて、虫統一パが常に頭を悩まされる致命的な弱点の一つに、ステルスロックの存在がある。岩が抜群なうえ、HPも低い種が多い虫タイプポケモン達にとって恐るべき脅威の一つであるといえよう。タイプ一致とんぼがえりでサイクルを回す際にもスリップダメージでゴリゴリ削られる。とても痛い。
防ぐ手立ては幾つか存在するが、最も取りやすい手段のひとつに「ちょうはつ」がある。相手に3ターンの間攻撃技しか出せなくさせる技である。これをステルスロックを撒きに来たポケモンに先手で打つことにより、(メンタルハーブさえ持っていなければ)相手の計画を阻止し、控えの虫ポケモン達の安全を守ることができる。
しかし実は虫タイプのポケモンでちょうはつを習得できる種は少ない。

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この6種である。コロトックも覚えるが現状未解禁。ちなみにシュバルゴは8世代でようやく覚えられるようになった。というか何故アギルダーにはくれなかったのか…

話を戻す。ステルスロックを撒いてくる可能性の高いポケモンは現環境だとカバルドンナットレイランドロスの3種が主に挙げられる。他にも勿論いるが、この3種は使用率15位以内の常連であり、特に見る機会が多い。ステルスロック展開を阻止するならば、これらより先に行動してちょうはつを打つか、対面したそのターンのうちに倒すより他にない。しかしカバルドンナットレイといった耐久に恵まれたポケモンは一撃で倒すのは難しく、ランドロスは型が多彩であることから必ずしもステルスロックを展開してくるとは限らない。
即ち、初手ちょうはつが安定するのは主にカバルドンナットレイということになる。ちょうはつを採用するならば、この2種より足が早く、且つ比較的有利に立ち回れるものがよいという訳である。そうなると、グソクムシャマッシブーンフェローチェの3種から選択となるのは自明なのではないだろうか。では、ようやく本題である、このうちでグソクムシャにちょうはつする役割を持たせる利点について語っていこう。

【ちょうはつグソクムシャ
まず最大の利点として、マッシブーンフェローチェという、抜き性能に長けた強力なポケモンの技スペースをちょうはつで圧迫してしまわないこと。この2種は特性と攻撃種族値の高さから虫統一きってのエースアタッカーとしての需要が高い。よってなるべく広い技範囲を確保し、様々な相手を倒せるように育成したいものである。そのため、出来ることなら他のポケモンステルスロックの牽制をさせたい。 と、私は考えている。
そこでグソクムシャである。がんせきふうじ、こごえるかぜ等、相手のSにデバフをかける技も覚えるため、ちょうはつを打って相手の行動を阻害した次ターンに逃げられても引き先のポケモンの素早さを下げ、そのままダイジェットの起点にされたとしてもS上昇分を相殺することが可能。ご存知の通り先制技もアクアジェット、ふいうちと充実しているため交代際がんせきふうじ→先制技で引き先の体力を半分以上奪い、こちらの控えの確定圏内に抑え込む働きが見込める。よって相手を倒すことで攻撃を上げられるポケモン、高威力でダイナックルを放てるポケモンとの相性は抜群である。
まとめ。ちょうはつ採用グソクムシャができる働きは
カバルドンないしナットレイステルスロック展開の阻止
②ちょうはつを打たれた故に交代された場合でも交代先に素早さを下げつつダメージを与え、更に追加で先制技によるダメージを付与。素早さ↓と適度な削りによる起点の作成
③もしききかいひで控えに戻れた場合、先制技によるエースアタッカーの撃ち漏らしの掃討ないしクッションとしての働きが可能 


となる。いかがだろうか。ステルスロックの展開を阻止し、さらに起点作りまで可能なのである。ききかいひによって控えに戻った後でも強力な先制技によって十分な活躍が見込める点もポイントである。

 

【相性のよいポケモン

 アイアント

グソクムシャで削った相手をダイナックルの起点にできる。詳しくは前回の記事を参照してほしい。ちなみに今回のちょうはつグソクムシャと組ませる場合、いのちのたまの他にもきあいのタスキを採用しやすい。ステルスロックを踏んでタスキが潰れてしまうことが無くなるためである。自力でSを上昇させる手段をもたないアイアントは自身より素早く、抜群を突いてくる相手(主にエースバーン)に極めて弱いため、行動保証を持たせられるのはかなり強力である。

ウルガモス
ステルスロックが痛い積みエース。

マッシブーンフェローチェ
グソクムシャで削った相手をビーストブーストの起点に。 

 

グソクムシャの調整】

S調整
準速で4振り70族を抜けるため、もしエアームドを意識するならそこまで。60振りで無振りカバルドンを抜けるため、最低でもそのSラインは確保させることを推奨する。ラグラージなどS60族を抜くなら164振り。

耐久調整に関しては各々が仮想敵に合わせて決めるべきところであるが、筆者が使いやすいと感じてずっと使っている調整を紹介しておく。

H164

B84

D92

HBは無補正剣舞ミミッキュのシャドークローが確定3発、無補正エースバーンの珠ダイとびはねるを確定耐え。HDは特化ロトム(家電入り)の10まんボルトを確定耐え。

【アイテム候補】

いのちのたま

個人的最有力候補。自分からダメージを負うことで特性の発動タイミングを多少任意で操作することが可能になる。先制技を打つと相手が攻撃するより先にスリップダメージが発生するため、相手の技を読んで先制技を選択、控えの半減で受けられるポケモンを出してグソクムシャへの負担を肩代わりさせると言ったことが可能。また、技の威力があがり、アクアジェットやがんせきふうじでもそれなりの威力を発揮するようになるため、場荒らしという役割にも非常によくマッチしているといえる。
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とつげきチョッキ

クッション性能を大幅にあげられる。レヒレに受け出す時などに特に役立つ。 

ゴツゴツメット

物理相手に無視できないスリップダメージを稼げる。すいりゅうれんだに受け出して傷だらけにできる。これも場荒らしの一助になる優秀なアイテム。ダイマックス技は悉く非接触であるため、腐る場面も少なくないのが難点か。

バコウのみ

撃たれやすいダイジェットを耐えたいなら。

だっしゅつパック

インファイトと併用すると擬似的に2回ききかいひを発動できる。

レッドカード

相手の技でききかいひするとレッドカードの効果で交代先の相手が先に見られるため、レッドカードで呼び出した相手に有利なポケモンを投げられる。強引に有利対面に持ち込める強力なアイテム。

 

【技候補】

ちょうはつ

この役割上確定。

がんせきふうじ、こごえるかぜ

同上。相手のSを下げられる優秀な技。

アクアジェット

この型のメイン技といっても過言ではない。最も撃つ機会が多い。

であいがしら

言わずと知れた強力な元専用技。優先度+2であるため、ゴリランダーを強く抑制できる。虫統一ではさほど撃つ機会が来ないのが悲しいところ。

アクアブレイク、シェルブレード

タイプ一致技。シェルブレードはBダウンの追加効果が50%で発動するため決して下位互換とも言えない。

インファイト

ナットレイを削れる強力な格闘技。耐久を下げてしまう難点があり、こらえると組み合わせると安心。

こらえる

本来耐えられない攻撃を耐えてききかいひすることができる。じしんかじょう、ビーストブースト、しろのいななき等の起点になることを回避できる。

 

【おわりに】

グソクムシャは独特な固有特性のお陰で中々取っ付き難いポケモンであり、決して使いやすいポケモンとは言えないかもしれない。ただでさえ難しいタイプ統一なら尚のことである。しかし、虫統一パという構築においても明確な役割を持ち、その特性と能力を満遍なく活かして戦うことは十分に可能である。そのことをこの記事で理解していただければ筆者としてそれ以上の喜びはない。

そして、最後まで読んでくださった方々に深く感謝申し上げます。それでは。